脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
学童期の高機能広汎性発達障害児の学校適応とリハビリテーションからの支援の検討
林 優子
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 40 巻 4 号 p. 295-300

詳細
抄録
高機能広汎性発達障害 (HFPDD) の学童32例の学校適応とリハビリテーションの視点による支援について検討した. 8例は学校適応が良好で, 就学前からの情報提供が有効であった. 学校での不適応のうち不登校・保健室登校の12例中10例が在籍学級へ登校可能になったが, 教育場面の変更が必要な例が多かった. 学校で問題行動のあった12例中9例が, 学校側の対応理解により著明に改善した. 保護者や学校と連携し, 早期から継続的な子どもの理解や環境整備などの支援を行うことが重要と考えられた. 改善困難は5例で, 本人の特徴の困難さによるものが3例, 家族の障害未受容に関連するものが2例であり, 今後さらに他機関と連携した支援が必要とされた.
著者関連情報
© 日本小児小児神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top