脳と発達
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Valproate sodiumとphenobarbitalの併用が予防に有効であった周期性嘔吐症候群の2例
疋田 敏之児玉 浩子仲本 なつ恵荻田 佳織金子 衣野藤井 靖史藤田 靖子鈴木 裕子五十嵐 一枝柳川 幸重
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2008 年 40 巻 5 号 p. 393-396

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抄録

周期性嘔吐症候群 (CVS) は頻度の高い小児疾患の1つである. 近年, CVSは国際頭痛学会分類で小児に発症する片頭痛の1つとして位置づけられた。
我々は重症のCVS患者でvalproate sodium (VPA) 単剤およびphenobarbital (PB) 単剤での効果が不十分でVPA (20~26mg/kg) とPB (4~5mg/kg) の2剤併用によって発作を予防できた症例を経験した.
症例1は4歳11カ月で3歳から, 症例2は10歳7カ月で1歳10カ月から難治な嘔吐発作をくり返していた. 2例ともVPAとPBの併用で寛解した.
重症CVSに対するVPAとPBの併用療法は個々の症例において有効性が示唆された.

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© 日本小児小児神経学会
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