脳と発達
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内視鏡ビデオスコピーによる重症心身障害児 (者) における喉頭部異常の臨床的検討
水野 勇司スビヤント ケイジ笹月 桃子坂本 慶相部 美由紀
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2008 年 40 巻 6 号 p. 456-459

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抄録

重症心身障害児 (者) 43例を対象に, 内視鏡ビデオスコピーによる喉頭部異常の検討を行った.年齢は2歳から41歳 (平均19.9歳) で, 大島の分類が1, 2, 4の運動障害高度例を対象とした.喉頭部の異常を認めた例は43例中32例 (74.4%) と高率であり, 喉頭狭窄 (医原性も含む), 分泌物過多, 喉頭軟化症などの狭窄性病変が多かった.分泌物誤嚥を直接観察できた例もあった.気管切開例8例中7例 (87.5%) に, 非切開例35例中25例 (71.4%) に喉頭部異常を認め, 有意差はなかった.経口摂取10例中2例 (20%), 経管栄養33例中30例 (90.9%) に喉頭部異常を認め有意差があった.重症心身障害児 (者) では喉頭部の観察が重要であり, 内視鏡ビデオスコピーは喉頭部異常の観察評価に有用である.

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© 日本小児小児神経学会
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