脳と発達
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Schilder病における2, 3の免疫学的検討
亜急性硬化性全脳炎, 多発性硬化症との比較
二瓶 健次水谷 裕迫
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1974 年 6 巻 5 号 p. 371-377

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抄録

我々の経験したSchilder病, SSPE, MSを中心に二, 三の免疫学的検討を行ないその相異点などにつき, 若干の考察をおこなつた.
Schilder病にて有意のウイルス抗体価上昇は見られなかつた. SSPEにて麻疹抗体価の上昇, MSではむしろ風疹, 抗体価の軽度上昇を見た. Schilder病, SSPEにて髄液, 脳組織にて特異的IgGの増加を見た.
麻疹ウィルス抗原, 脳抗原に対するMIF試験はSSPEにてその両者に陽性であつたが, MS, Schilder病では脳抗原にのみ陽性であつた.
これらの所見からSchilder病にてSSPEよりMSに類似した免疫学的所見を呈し本症にも免疫学的機序の働く可能性のあることを示され, 今後本症に関して, 生化学的な面と合わせて免疫学的な面からのapproachも必要と考える.

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© 日本小児小児神経学会
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