ジアゼパム静注脳波の診断的意義について小児てんかんにおける脳損傷の拡がりと重症度という面から検討した. 20例が調べられ, それらは点頭てんかん11例, その他の全汎性発作3例, 部分性または一側性発作6例であつた.
結果はつぎの如くであつた. 1) ジアゼパム静注脳波は全汎性発作の7%, 部分性一側性発作の67%において限局性てんかん発作波を示した. 2) 薬物による低振巾速波は正常の精神運動発達を示した60%においてび慢性に出現したが, いつぽう, 発達遅延を有する15例では1例 (7%) にのみみられた. 4) てんかん発作波は気脳写異常所見あるいは小頭症を有する10例では全例抑制されなかつた. 5) 発作はジアゼパム静注脳波においててんかん波の抑制が良好であつた5例中4例において, ACTHまたはステロイド療法後まつたく消失した. 他方ジアゼパム静注脳波において反応不良であつた5例中4例では発作は抑制されなかった.
ジアゼパム静注脳波は小児てんかんの病態生理および予後を知る上で有用であつた.