例の小児てんかん患者についてDiphenylhydantion (DPH) の投与量と血中濃度の関係を検討した.
年齢別に A.0 -2才, B.3 - 6才, C.7 -11才, D.1 2才以上の4群に分け検討した結果, 各群共聲与量と血中濃度の間に有意の相関関係が認められた.最小二乗法により得られた回帰直線は, 年長児になる程傾きが大きくなる傾向がみられた.
DPHの有効濃度といわれている10μg/mlを維持するための投与量を各年齢毎に回帰直線から算出すると, A: 14.2, B: 8.8, C: 7.3, D: 5.2mg/kg/dayであつた.この結果からDPHは, 特に乳幼児では現在使用されている量より多い投与量が必要と思われる.
またphenobarbital併用群におけるDPH血中濃度はDPH単独投与群に比較し低い結果が得られた.