抄録
著明な身体発育を示し, 巨大頭蓋, 特異な顔貌, 非進行性の神経症状と共に知能発育障害を呈した脳性巨人症の1症例を報告する. X線単純写で頭蓋は大きいがトルコ鞍は正常であり, 気脳写では側脳室および第3脳室の軽度拡大を認めた. またRI cisternographyでは閉塞性の所見を認めず正常の型を示した. 空腹時血中成長ホルモン値は正常範囲内であつた. 病態発現については, 種々の推論がなされているが, 現在のところ不明である. また本症候群が示す巨大頭蓋と脳室拡大は外科的治療上, 早期に処置を要する水頭症と鑑別する必要があり, その点で本症候群のその他の臨床徴候およびRI cisternographyの所見が重要である.