脳と発達
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点頭てんかんの治療に関する臨床的考察
横山 純好児玉 荘一荻野 仁志和田 博子根岸 宏邦松尾 保
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1976 年 8 巻 6 号 p. 447-453

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抄録

点頭てんかんに対する初回療法を次の3群に分け各群における治療効果を比較検討した.A群はACTH-Zを1日0.25mg (10単位) 10日~14日間連日筋注 (ACTH-Z単独療法), B群はACTH-Z単独療法にケトン指数 (Woodyatt) 2~3: 1のケトン食を10日~14日併用投与, C群はACTH-Z単独療法にSodium-dipropylacetate (DPA) 30~50mg/kg/dayを10日ないし14日間併用投与した.臨床上けいれん発作の消失, 及び脳波上Hypsarhythmiaが消失した時, 有効とした.結果は次の如くである.
1) A群では33例中19例 (58%), B群では7例中3例 (43%), C群では8例中7例 (88%) に有効であった.
2) 脳に器質的病変を有する症例においてもACTH-Z+DPAi療法では4例中3例 (75%) に有効であった.
3) 硬膜下水腫を合併した3例に硬膜下腔腹腔吻合術を施行し, そのうち内科的治療に頑固に抵抗した症例1例において劇的な効果を得た.

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© 日本小児小児神経学会
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