脳と発達
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小児モヤモヤ病の臨床的考察
吉川 徳茂溝尻 素子横山 純好森下 順彦児玉 荘一
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キーワード: モヤモヤ病, 頸動脈写, 脳波
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1976 年 8 巻 6 号 p. 441-446

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抄録

昭和44年~昭和50年に神大小児科に入院, 脳血管写にて, モヤモヤ病と診断された7例 (男3例, 女4例) を対象とし, 初発年齢, 性別, 家族歴, 既往歴, 症状, 発症時脳血管写の分類 (鈴木), 左右脳血管写の比較, 脳波的検査, 及び6年間追跡できた男児例の脳波, 血管写の推移を観察した結果
1.初発は5才以下の幼児期に多く, 又経時的に病像が進行することより, 病因としては先天性の血管形成不全を後天的因子が助長する事が考えられる.
2.診断に際し, 過呼吸後の遷延性徐波化が有力な補助手段となりうる.
3.鈴木の分類の3相で発見される症例が大半を占め, 5~6相で臨床症状の悪化が認められた事実は, 臨床症状の程度, ひいては脳血流量と, 脳血管写の進行度とはほぼ一致すると考えられる.

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© 日本小児小児神経学会
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