抄録
1) 小児難治性てんかん児51例 (男児30例, 女児21例) にケトン食療法を行ない, その効果を脳波学的に検討した.
2) ケトン食療法が効果を示し発作波の消失あるいは著減をみたのは, 発作波型別にみるとDEPを示すものが多かったが, ほぼ同様の効果はLEPについても認められた.飢餓後半期またはケトン食開始2週間までに発作波が消失した例は全対象の58%に及んだ.
3) 基礎波は飢餓後半期には高度の高振幅徐波化傾向を示したが, 一般にケトン食開始後徐波は著減し, 速波が増加し, かつ, より律動的となり, 治療開始前の基礎活動より, さらに改善された.