本総説は日本の現在の研修医について解説し,ついで京都岡本記念病院の具体的な研修医システムと研修医の実態を紹介した.国内の全研修医数は18,000人で,本邦の全医師数の約5%にあたる.現在の研修医は,2004年に制定された新研修医制度によって,1,026病院の臨床研修病院において指導ガイドラインの下,29症候,26疾病・病態を経験しなければ修了できない.
京都府下の研修医は23の臨床研修病院で研修している.京都岡本記念病院での現在の研修医は19人で,研修プログラムは2年プログラムと1年プログラム(いわゆるたすき掛けプログラム)からなる.今日までに118名が研修を修了したが,その出身大学は35大学にわたり,京都府立医科大学31名,滋賀医科大学24名の順に多い.研修は43名の指導医のもと,上級医,プログラム責任者や医師臨床研修センターが中心となって,細やかな指導が行われている.本総説では,研修医の進路や研修に関する課題などを解説した.