日本温泉気候物理医学会雑誌
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原著
職場でのリラクセーションがもたらす自律神経活動への影響および心理的作用
大島 紀人沼尾 信治鎮西 美栄子
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2011 年 74 巻 4 号 p. 256-262

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抄録
 リラクセーションは落ち着いた音楽、快い香りなど快適な治療空間の中で、ストレッチや呼吸法を行う手法であり、不安の軽減など心身への効果が期待される。本研究では、職場におけるリラクセーションの効果について、自律神経活動への影響、心理的作用の面から検討を行った。
 対象は健康な11名の成人(男性7名、女性4名)である。リラクセーション実施前より終了後まで心拍変動、唾液アミラーゼ活性値の測定を行った。またリラクセーション前後にProfile of Mood States (POMS)を実施し、心理的な評価を行った。
 唾液アミラーゼの値はリラクセーション前後で、29.2±12.7 kIUL(平均±標準偏差)から23.2±10.9kIULへと低下した(p=0.05)。また、心拍数は90.8±10.0拍分から84.9±8.9拍分へと低下した(p<0.01)。一方、HFパワーは315.1±211.3msec2から381.8±225.3msec2へと増加した(p=0.02)。POMSの結果では、緊張-不安のスコアが40.5±4.6から35.8±3.3へと改善し(p<0.01)、疲労感も43.8±6.2から40.4±4.1へと改善(p<0.05)していた。
 これらの結果から、リラクセーションは副交感神経活動を増大させ、交感神経活動を減少させることが示された。リラクセーションは特別な装置等を要さないため職場で行いやすく、不安緊張や疲労感を改善させることのできる手法として有用と考えられた。
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© 2011 日本温泉気候物理医学会
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