2004 年 67 巻 4 号 p. 237-243
極超短波ジアテルミーで用いるマイクロ波の加温効果を、寒天ファントムを用いて連続マイクロ波とパルスマイクロ波で比較検討した。連続マイクロ波の出力は40W、パルスマイクロ波の出力は200W、DUTY20%、両者ともにアンテナとファントムとの距離は3cm、照射時間は15分間とした。ファントムの温度は、光ファイバー式温度計により深さ1cm、2cm、3cm及び表面で測定された。照射は連続マイクロ波、パルスマイクロ波でそれぞれ10回ずつ行った。その結果、平均温度上昇は、表面及びいずれの深さでも統計学的有意差は認められなかった。また、各測定点における温度上昇分を表面における温度上昇分で割った値の平均値についても検討したが、2つの照射方法の間に有意差はなかった。これらの結果からパルスマイクロ波は、ジアテルミーの対象となる深さ1cm、2cmでは連続マイクロ波と同様の加温効果があること示唆された。