日本温泉気候物理医学会雑誌
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67 巻 , 4 号
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  • 田中 信行
    2004 年 67 巻 4 号 p. 193-194
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 光延 文裕, 保崎 泰弘, 芦田 耕三, 岩垣 尚史, 永田 拓也, 藤井 誠, 高田 真吾, 浜田 全紀, 谷崎 勝朗
    2004 年 67 巻 4 号 p. 195-201
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息16例 (喫煙者8例、非喫煙者8例) を対象に、HRCT (high-resolution computed tomography) 上の吸気時における肺の-950 Hounsfield units 以下の%LAA (low attenuation area)、平均CT値、LAAの呼気/吸気比および残気量 (%RV)、拡散能 (%DLco) に及ぼす温泉療法の効果について、喫煙例と非喫煙例で比較検討した。1. 肺の%LAAは、温泉療法により喫煙例、非喫煙例いずれにおいても有意の減少を示した。また、平均CT値は両群とも有意の増加を認めた。2. LAAの呼気/吸気比は温泉療法により非喫煙者では有意の減少を示したが、喫煙者ではほとんど変動は見られなかった。3. 残気量は非喫煙者では温泉療法後有意の減少を示したが、喫煙者では有意の減少は見られなかった。4. DLco値は非喫煙者、喫煙者とも温泉療法による有意の変動は見られなかった。5. %FVC, %FEV1.0値は温泉療法により増加する傾向を示したが有意の差は見られなかった。一方、FEV1.0%値は非喫煙者では温泉療法により有意の増加を示したが、喫煙者では有意差は見られなかった。以上の結果より、喫煙者では末梢肺組織の損傷が非喫煙者に比べより高度であり、温泉療法の効果も限定されやすいことが示唆された。
  • 上岡 洋晴, 中村 好一, 矢崎 俊樹, 上馬場 和夫, 武藤 芳照, 岡田 真平, 高橋 美絵
    2004 年 67 巻 4 号 p. 202-214
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    本研究は、中高年女性を無作為に2群に分けて、それぞれ3ヶ月間及び6ヶ月間の温泉入浴と生活・運動指導による総合的健康教育が、体格、体力、血液性状、膝や腰の疼痛、そして精神心理面にどのような影響を及ぼすかを1年後と6ヶ月後までフォローアップして明らかにすることを目的とした。
    中高年女性に対して、週1回、毎回1時間 (更衣、洗身含む) の半身浴 (ナトリウム塩化物泉、浴槽温度41.5度) と1時間の生活・運動 (行動変容のための講義、ウォーキング、リズム運動、調理実習等) の指導を、温泉入浴指導員や健康運動指導士、栄養士等が行った。6ヶ月群 (n=14) は、3ヶ月群 (n=19) と同じプログラムを2回ずつ繰り返した。
    調査項目は、BMI、有酸素性作業能力として自転車エルゴメータによるPWC75%HRmax、血液性状 (総コレステロール、HDLコレステロール、動脈硬化指数、尿酸、HbAlc)、POMS、自己評価式抑うつ尺度、主観的幸福度、膝と腰の疼痛度 (VAS) であった。
    6ヶ月介入群では、BMIが介入前 (26.3±3.5) と比べて、介入終了直後 (25.7±3.5)、そしてフォローアップ6ヶ月後 (25.7±3.3) と有意 (p<0.05) に減少した。また、PWC75%HRmax、HbAlc、腰痛、活気、抑うつ、主観的幸福度においても、6ヶ月のフォローアップ後まで有意 (p<0.05) な向上が認められた。一方、3ヶ月介入群では、終了直後に向上した調査項目もあったが、フォローアップ1年後には、介入前とほぼ同じ程度に戻っていた。フォローアップ後において、両群間に有意な差 (p<0.05) が見られたのは、PWC75%HRmax、HbAlc、疲労感であり、すべて6ヶ月介入群の方が良好な結果であった。週1回という頻度の少ない介入では、効果を維持させるためには、3ヶ月以上のより長期間の介入が必要であり、その効果を正しく判定するには、さらに経年的に追跡すべきことが示唆された。
  • 前田 真治, 齋藤 雅人, 池本 毅
    2004 年 67 巻 4 号 p. 215-224
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    代謝活性によりエネルギー消費が高まるといわれるラズベリーケトン温浴の効果の科学的根拠について健常成人10名を対象に入浴実験を行い検証した。
    その結果、血圧、脈拍、深部体温計などの測定値は水道水や炭酸温水と差はなく、心血管系に対する負荷は大きくなく、安全に入浴できるものと考えられた。また、表面皮膚温の経過からは体温を緩徐に上昇し、水道水温水や炭酸温水と比べ、比較的長時間入浴しても身体に対する負担が少ないものと思われた。皮膚組織血流量の結果から、ラズベリーケトン浴の温水の血流量増加は炭酸温水のような血管拡張作用とは異なり、例えば代謝亢進などの機序による血流量の増加が示唆された。インスリンの結果から糖代謝に対する影響が水道水や炭酸温水に比べあると思われた。しかし、副腎皮質系のコルチゾールの変化に差はなく、特異的な作用はないものと考えられた。NK細胞活性の結果からは、免疫系への大きな影響がないことがわかった。β-エンドルフィンについては心理的周辺環境を整えた後に行うべきであることが示唆された。呼気ガス分析の結果からも同様に、炭酸温水の心循環器系への関連はあるものの、ラズベリーケトン温水浴では大きな負担を掛けずに代謝系の亢進を介してエネルギー消費するものと考えられた。
  • 安野 富美子, 會川 義寛, 坂井 友実, 矢野 忠
    2004 年 67 巻 4 号 p. 225-236
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    鍼通電刺激がヒト眼底組織循環へ及ぼす影響について、11例の全身的疾患および眼科的疾患を有さない、健康成人ボランティア (男性6例、女性5例、平均年齢31.5±5.7歳) を対象に検討した。各対象者については、無刺激対照実験と鍼通電刺激実験の二通りの実験を日を変えて行った。眼底組織循環の指標としてNB値を、その関連指標として眼圧、血圧、心拍数を用いた。NB値については、レーザースペックル法を用いて、黄斑部と視神経乳頭の間の目に見える血管を避けた部位 (脈絡膜) で測定した。鍼通電刺激は、天柱と風池、肩井と曲垣を結び、1Hzで軽度の筋収縮が生ずる程度の強度で15分間行った。上記の各指標は、鍼通電刺激の前、および刺激終了0 (直後)、5、10、15分後に測定した。対照実験は、鍼通電刺激実験の測定と同様とした。その結果、NB値は鍼通電刺激群の刺激側 (右眼) で対照群に比して有意な増加がみられたが、非刺激側では有意な変化はみられなかった。なお、眼圧、眼灌流圧、血圧には有意な変化はみられなかった。NB値が脈絡膜血流量と高い相関性を示すことを踏まえると、今回の結果は、鍼通電刺激が刺激側の脈絡膜血流量を増加させることを示唆するものである。
  • 吉田 次男
    2004 年 67 巻 4 号 p. 237-243
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    極超短波ジアテルミーで用いるマイクロ波の加温効果を、寒天ファントムを用いて連続マイクロ波とパルスマイクロ波で比較検討した。連続マイクロ波の出力は40W、パルスマイクロ波の出力は200W、DUTY20%、両者ともにアンテナとファントムとの距離は3cm、照射時間は15分間とした。ファントムの温度は、光ファイバー式温度計により深さ1cm、2cm、3cm及び表面で測定された。照射は連続マイクロ波、パルスマイクロ波でそれぞれ10回ずつ行った。その結果、平均温度上昇は、表面及びいずれの深さでも統計学的有意差は認められなかった。また、各測定点における温度上昇分を表面における温度上昇分で割った値の平均値についても検討したが、2つの照射方法の間に有意差はなかった。これらの結果からパルスマイクロ波は、ジアテルミーの対象となる深さ1cm、2cmでは連続マイクロ波と同様の加温効果があること示唆された。
  • 中谷 純, 大塚 吉則, 佐々木 浩二, 阿岸 祐幸
    2004 年 67 巻 4 号 p. 244-256
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    In post-genome era, the greatest challenge of post-genome research is how we can apply genomic outcome to practical field like clinical medicine through discovering effective findings from its complex and meta-molecular network. From the viewpoint of reducing health care cost, preventive medicine that can avoid diseases should be essential target. Balneology that contains preventive medicine in part through unspecified bio-modulation effect should be a principal field of genome science based application. Balneology has expectations to be applied to practical clinical field or health promotion through translational research to modern medicine or health science. This translational research needs establishment of bridging knowledge and its bi-directional migration as the essence of translation. Integration of in silico knowledge among balneology, modern medicine, and genomic science is the fundamental basis of this translation. Single knowledge architecture that has anatomically hierarchical structure, logical conceptual unit and its supportive evidences makes integration logically seamless and establishes smooth translation. This paper reports knowledge architecture in balneologic translational research and its prototype.
  • 延永 正, 伊藤 幸治
    2004 年 67 巻 4 号 p. 257-263
    発行日: 2004年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    It is well known that spa therapy is quite useful for the so-called life-style related diseases. It is therefore speculated that the number of aged people to be cared by the public insurance of elderly care may be less in spa districts than in non spa districts. As a matter of fact it was demonstrated in Oita prefecture that the number of aged people qualified for receiving the care was significantly less in Beppu city and Yufuin town which are well known as spa resort than in the surrounding non spa city or towns.
    This report is the result tallied up on the data from 38 prefectures all over Japan, regarding the number of aged people and hot springs. Although the ratio of number of aged people qualified for receiving the care to all aged people over 65 y-o is quite different among both the prefectures and the cities or towns under the same prefecture, the tendency of lower ratio in spa cities or towns than in the others was observed. It suggests the more prospective study is necessary on the effects of spa bathing on ADL disorders of aged people.
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