音声研究
Online ISSN : 2189-5961
Print ISSN : 1342-8675
特集「最適性理論の実験検証と実験音声学の理論整備」
調和文法における段階的な適格性判断 : 音韻運用データから見えてくる音韻能力(<特集>最適性理論の実験検証と実験音声学の理論整備)
クッツェー アンドリーズ・W.
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2010 年 14 巻 1 号 p. 13-23

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抄録
この論文で論じるのは,言語運用に関わる音韻データは,言語能力を検証するのに役立つ情報を提供し得るという点にある。そのためには,言語能力を捉える妥当なモデルが,言語運用上の音韻データに観察される有意義なパターンを,うまく説明できるものでなければならない。そこで,ここでは「語らしさ」に関する2つの実験に基づいて,まず音韻運用データに観察される典型的な諸特性(段階的な適格性判断)について論じ,そのパターンが調和文法(Harmonic Grammar)のモデルによりうまく説明できることを示す。
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© 2010 日本音声学会
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