Chiba and Kajiyamaによる声道模型の復元(<特集>『母音論』出版60年)

抄録

本論文ではChiba and Kajiyamaによる声道模型を復元した。彼らの模型では材料として油粘土が使用されているが,本論文では加工のしやすさと透明性の理由からアクリル樹脂を使用した。復元は,Chiba and Kajiyamaによる日本語5母音に対する声道形状の測定に基づいた。声門側の端に音源を入力することで,各模型が対応する母音を産出することを確認した。さらに,これらの模型を使用することが音声科学における教育の現場で有効であることが示された。