抄録
介護は実践を積み重ねることにより深まっていく実践学であることから,日々行なっている介護について「事例研究」として振り返って分析し,評価を積み重ねることで,より個別的な質の高い介護を提供できるとともに,介護を科学的な視点で一般化や普遍化ができると考える。そこで,本研究では介護老人福祉施設において「事例研究」がどのように行われ,実践の積み重ねがされているのか実態を把握するため,十勝管内の19施設に訪問し聞き取り調査を行った。その結果,「介護保険のケアプランにかかわる事例研究」を中心にそれ以外にも「事例研究」を実施している状況が把握できた。また,「事例研究」についての効果や課題も把握することができたので,それらの結果から,養成校における「事例研究」のあり方について考えた。