2008 年 45 巻 p. 53-62
前報では、《寿親養老新書》第二巻に掲載されている「婦人小児食治方」の<治血気諸病方>の地黄粥、猪肚粥、<治妊娠諸病方>の麦門冬粥、生地黄粥および陳橘皮粥について考察したが、本報では<治産後諸病方>の猪蹄粥、蘇麻粥、伏苓粥、紫苋粥、滑石粥、猪腎粥及び羊肉粥並びに<治小児諸病方>の牡丹粥及び扁豆粥について考察した。その結果、これらの粥は、産後または産前にみられる、母乳不足、産後の眩暈による多汗・多汗による便秘、不眠症、膿や血の混じる下痢、排尿障害および発熱などを治療するもので、材料の性味、帰経、薬効と主治などを組み合わせた今日にも応用できるものである。