帯広大谷短期大学紀要
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調査
帯広市周辺の鉄道資料の保存状態
持田 誠
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2012 年 49 巻 p. 63-72

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抄録
十勝圏には多くの鉄道車輌が保存されているが、大半が車輌を記念碑的に展示しているのみであり、資料に関する二次的な情報の集約が見られない。近年、鉄道資料を文化財として、鉄道史や産業考古学的見地から評価する動きが全国的に見られる。そこで、十勝圏に保存されている鉄道車輌ならびに鉄道に関する資料の保存状況の実態把握を進める一環として、帯広市周辺に保存されている鉄道資料の概要を調査した。帯広市周辺では、静態保存の鉄道車輌を中心に、駅舎、施設、備品類などの現業資料、経営に関する文書資料などの存在が確認された。一方で、これらの資料に関する資料情報の収集や保存記録などの整備は進んでいなかった。今後は十勝圏全体における鉄道資料の現況把握を行うと共に、鉄道資料台帳の作成や産業遺産データベースへの登録などを進め、地域博物館が核となって、鉄道資料を文化財として地域で保存・活用していく機運を高める事が重要である。
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© 2012 帯広大谷短期大学
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