抄録
本稿は介護研究方法(通称ゼミ)において、学生が高齢者の地域での生活に触れることにより「地域のなかでその人らしく自立した社会生活を送るために必要な支援は何か」を考えることを目的とし、2020(令和2)年度から音更町が実施している「お元気コール」の一部を学生が担当させていただいている。2021(令和3)年度は、担当している方の自宅訪問を実施し、そこでの気づきや学びを学生間で共有する機会(口頭での報告)も設けることができた。それらの気づきや学びを振り返りシートに記入してもらい、その内容からどのような学習効果が得られたか分析した。結果、「非言語コミュニケーションの重要性」といった視点だけでなく、「物的生活環境を含めた対象者理解の必要性」や「物的生活環境の個別性の大きさ」、対象者の「生活に対する主観的理解へ繋がる」といった重要な視点での学習効果が明確化された。