本研究の目的は,保育者を対象として身体活動量および体力に関する不安感を明らかにすることで,保育職の職業特性を踏まえ保育者養成校学生の体力向上の取り組みの必要性を検討するための一助とすることであった。本研究では,保育者を対象として身体活動量を測定した。さらに,毎勤務後および身体活動量計測最終日に質問紙調査を実施した。身体活動量測定結果では対象保育者の身体活動量は厚生労働省の定める健康づくりのための基準と同等以上の身体活動量であることが明らかとなった。また,歩数計測では全国平均が男性6,794歩,女性5,942歩に対して,対象保育者の1日当たりの平均歩数は8,442歩であり全国平均を大きく上回った。さらに,対象期間における1日の最大歩数は18,110歩であった。質問紙調査結果では,ほとんどの対象者が自身の体力に不安感を抱いており、他の職業と比較して体力が必要であると認識している一方で,運動習慣が乏しいことが示唆された。
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