耳鼻咽喉科展望
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遺伝子変異が引き起こす難聴発症機構の解明
渡辺 美智子馬目 佳信
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2008 年 51 巻 4 号 p. 237-242

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抄録

難聴に関連する遺伝子異常については, 近年, 自然発症の難聴モデルマウス解析などから次々と同定・報告されている。本稿では独自に系統化した難聴モデルマウス系を用い, 連鎖解析法による難聴発症の原因と予測される変異遺伝子の解析について述べる。難聴原因遺伝子が存在する染色体の同定はマウス各染色体上のマイクロサテライトを指標とし, 連鎖解析を行うための交配対象マウスとして, ゲノムのマイクロサテライト解析が明らかにされているMus. m. castaneus (CAST) を選択した。聴性脳幹誘発電位測定 (ABR) により難聴が確認されたマウスに対する連鎖解析を行った結果, この自然発症高度感音難聴モデル系では単一遺伝子の異常が予測され, その遺伝子は第11染色体に存在することが明らかになった。

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© 2008 耳鼻咽喉科展望会
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