耳鼻咽喉科展望
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第31回 日本医用エアロゾル研究会
超音波ネブライザーにおける薬液汚染の検討
持木 茂樹大木 幹文山口 宗太大久保 はるか石井 祥子櫻井 秀一郎真鍋 美智子大越 俊夫
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2008 年 51 巻 Supplement 号 p. s22-s28

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抄録
2006年, 我々は超音波ネブライザーを用いた鼻副鼻腔ネブライザー療法で逆流防止弁の有効性につき報告した。今回, 耳鼻咽喉科開業医院で診療開始前と1日の診療終了後の超音波ネブライザー薬液槽の細菌培養検査を行い, 複数患者が使用した後の薬液槽に細菌汚染がおこるかどうかを実験した。検査第1期では, 一部に診療終了後の薬液槽に細菌が同定されたものの, 診療開始前の検体からは細菌が同定されなかった。第1期の実験終了から1週間程検査を行わず, 器具を流し台に放置していたが, 検査第2期の実験で, 長期に湿潤環境に置かれた器具からは, 診療開始前の検体で既にNon-fermenting gram-negative rodが同定され, 器具の消毒法の改善が必要と思われた。具体的には, スポンジやブラシを用いたバイオフィルムの機械的除去と十分な乾燥である。消毒法の改善策を講じた検査第3期からは, 1日の診療終了後の検体からは細菌検出を認めていない。
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© 2008 耳鼻咽喉科展望会
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