耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
臨床
内視鏡下鼻内的に摘出しえた含歯性嚢胞の1例
長岡 真人浅香 大也鴻 信義
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 52 巻 2 号 p. 86-90

詳細
抄録
上顎洞内に突出した含歯性嚢胞の1症例を経験したので報告する。症例は45歳女性, 左頬部痛を主訴に前医を受診した。副鼻腔CTで埋伏歯を含んだ片側性上顎洞陰影を指摘され, 精査加療目的で当科紹介となった。CT所見より含歯性嚢胞と診断し, 内視鏡下鼻内手術を施行した。上顎洞膜様部と下鼻道に作成した対孔より嚢胞と歯牙を摘出した。病理組織検査でも, 含歯性嚢胞と診断された。
含歯性嚢胞の手術治療としては外切開でのアプローチが一般的であるが, 症例によっては内視鏡下鼻内的に摘出しえると考えた。本症例はまだ術後5ヵ月であり, 現在まで経過は良好であるが, 今後も慎重な観察が必要と思われる。
著者関連情報
© 2009 耳鼻咽喉科展望会
前の記事 次の記事
feedback
Top