2010 年 53 巻 2 号 p. 137-141
耳鼻咽喉科有床診療所である当院は, 手術, 薬物療法・処置, 音声治療を組み合わせた集学的治療を音声障害に対して行っている。音声治療に関しては, 非常勤の言語聴覚士と連携を行っている。本稿ではその診療の現状を, 1) 耳鼻咽喉科診療所における音声治療の問題点, 2) 当診療所における音声治療の現状, 3) 当診療所における音声治療の目標, 4) 当診療所における音声治療の問題点の各項目に分け報告した。
耳鼻咽喉科医は音声言語障害の専門医であり, 言語聴覚士が常勤でなくても音声障害に対する集学的治療の一環として, その適応と限界を踏まえた音声治療を行うことが大切である。そのためには言語聴覚士との連携が耳鼻咽喉科診療所においても不可欠である。