2011 年 54 巻 1 号 p. 30-34
耳介に発生したbasosquamous cell carcinomaを経験した。
症例は60歳男性, 左耳介のびらんが治らないため受診した。数回の病理組織検査で判断がつかず, 増大傾向があったことより軟骨を含めて生検したところ, 診断結果は基底細胞癌であった。外科的切除を施行したところ, 術後病理診断ではbasosquamous cell carcinomaであった。手術から2年経過した現在も再発はみられていない。
Basosquamous cell carcinomaは, その特徴のため治療前に確定診断される例が少ない。術前基底細胞癌と診断されても浸潤傾向にある場合は, 本疾患も考慮し十分な手術計画が必要である。