耳鼻咽喉科展望
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第35回 日本医用エアロゾル研究会
適応となる疾患と薬剤
山口 宗太大木 幹文大久保 はるか石井 祥子櫻井 秀一郎久保田 俊輝大越 俊夫
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2012 年 55 巻 Supplement1 号 p. s21-s26

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抄録
現在, 耳鼻咽喉科の日常診療においてネブライザー療法は広く普及しているが, 実際にはその適応疾患, 利点や欠点, 使用薬剤など多くの課題がある。今回ネブライザー療法の過去の報告について検討し, ネブライザー療法の現状を把握するためアンケート調査を行った。ネブライザー機器の使用は大学群では76.6%, 実地医家群では98.2%, 病院群では100%であった。大学群での使用が低い理由としては頻回の受診が困難などの理由があげられる。使用している機器はジェット式ネブライザーが多く使用されていた。鼻副鼻腔炎に使用している抗菌薬はセフメノキシムが65.1%と過去の報告より増加している。理由としてはセフメノキシムが1996年にネブライザー用薬として認可されてから15年が経過し普及がすすんでいることや, 薬剤の有効性が評価されていることなどが考えられる。咽喉頭炎においてネブライザーに使用している抗菌薬はセフメノキシムが46.3%であった。
ネブライザー療法についてどのような機器, 薬剤を使用するとよいのか, またその併用薬, 薬剤の割合など課題は多い。ネブライザー療法の有用性について正しく評価していくことが重要である。
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© 2012 耳鼻咽喉科展望会
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