耳鼻咽喉科展望
Online ISSN : 1883-6429
Print ISSN : 0386-9687
ISSN-L : 0386-9687
綜説
咽喉頭疾患に対する Transoral CO2 laser microsurgery
梅野 博仁栗田 卓千年 俊一三橋 亮太小野 剛治進 武一郎
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 57 巻 6 号 p. 308-315

詳細
抄録

 一般的に喉頭・下咽頭の CO2 レーザー手術は, 経口的に直達喉頭鏡を挿入し, 顕微鏡下に手術操作を行う Transoral CO2 Laser Microsurgery (TLM) という手法で施行される場合が多い。 当科における喉頭乳頭腫症例の検討では, 単発型乳頭腫症例の術後再発率より多発型乳頭腫症例の再発率が有意に高かった。 最近の手術手技は, 腫瘍のレーザー蒸散よりも上皮を含めたレーザー切除術を推奨している。 その根拠として, 早期声門癌に対する TLM では腫瘍の蒸散術から腫瘍切除術へと手術手技を変えることで有意な局所制御率の改善が得られた事実がある。 早期下咽頭癌についても TLM による粘膜切除術または粘膜切除術後に (化学) 放射線療法を追加することで良好な治療成績が得られている。 さらに, 本稿では TLM による両側声帯麻痺に対する披裂軟骨 CO2 レーザー切除術のポイント, TLM による輪状咽頭筋切除術の術式のポイント, 喉頭部分切除または喉頭亜全摘出術時のマーキングとしての CO2 レーザーの応用について解説した。

著者関連情報
© 2014 耳鼻咽喉科展望会
前の記事 次の記事
feedback
Top