耳鼻咽喉科展望
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臨床
眼窩吹き抜け骨折整復術における術後眼球陥凹についての検討
高林 宏輔長峯 正泰藤田 豪紀
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2016 年 59 巻 1 号 p. 26-30

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抄録

 眼窩吹き抜け骨折の治療目標は, 眼球運動障害の改善と眼球陥凹の改善である。
 当科では2000年4月から2014年4月までに83症例を眼窩吹き抜け骨折と診断し手術を施行した。 眼窩下壁線状型骨折以外は, 全例鼻内内視鏡下に遊離骨片をすべて除去する経鼻内視鏡下整復術を施行した。 必要時に篩骨洞にはシリコンプレートによる固定をし, 上顎洞内には尿道バルーンカテーテルを留置し固定した。 今回われわれは術後1年以上経過し, 術後の眼球陥凹について評価できた47症例について検討した。
 内側壁骨折においては術後眼球陥凹を自覚する症例は認めなかった。 下壁骨折では吹き抜けた面積と術後眼球陥凹には相関関係が認められた。 混合型骨折においては面積との相関は認めなかったものの, 手術患者の25%が眼球陥凹の自覚を認めていた。

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