耳鼻咽喉科展望
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臨床
巨大な木村氏病の1例
永井 美耶子水成 陽介中澤 圭史櫻井 凛子弦本 惟郎杉本 直基池田 このみ小森 学
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キーワード: 好酸球, IgE, ステロイド
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2020 年 63 巻 5 号 p. 214-220

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抄録

 軟部好酸球性肉芽腫症は全身の軟部組織に無痛性腫瘤を形成する, 末梢血好酸球, 血中 IgE の増加を特徴とする比較的稀な疾患である。 今回われわれは巨大な腫瘍を呈した木村氏病の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。

 症例は27歳男性, 主訴は10年前より増大する左耳後部腫瘤であった。 末梢好酸球および血中 IgE の高値を認め, 生検の結果木村氏病の確定診断を得た。 ステロイド漸減療法を行い腫瘍は縮小したが, 余剰皮膚を認め, 審美的な面から外科的切除を行った。 木村氏病の治療は確立されていないが, ステロイド内服, 手術療法などを適宜組み合わせていく必要があると思われる。

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