2021 年 64 巻 2 号 p. 101-106
症例は56歳, 女性。 前医で口腔底膿瘍に対して加療をされていたが, 短期間で感染を繰り返していたため精査加療を目的に当科に紹介受診となった。 口腔底膿瘍を疑い切開排膿を行ったところ黄色粘土様の泥状物を認めた。 しかし画像検査で口腔底正中に腫瘤を認めたことから類皮嚢胞が疑われた。 反復する口腔底感染がみられたため, 根治的治療目的に口腔底腫瘍摘出術を施行した。 本症例では口腔底腫瘤が顎舌骨筋より上方に限局していたため口内法を選択したが, 腫瘤径が大きくオトガイ棘付近の視野確保が困難な症例であった。 そこで通常の口内法に内視鏡を併用することで嚢胞壁を損傷せずに摘出することができた。
感染を反復し周囲組織と癒着がみられる口腔底類皮嚢胞に対して, 口腔内アプローチに内視鏡を併用することで良好な視野で術野を観察することができ, 安全かつ確実に腫瘤を摘出することができた。