喉頭癌治療において放射線治療は重要な選択肢であるが,一方で重篤な晩期障害を引き起こすことが知られており,喉頭壊死もそのひとつである.ベバシズマブは血管新生阻害薬であり,切除不能大腸癌や非小細胞肺癌などに広く使用されているが,様々な有害事象が報告されており,近年では薬剤関連顎骨壊死との関連が言及されるようになってきた.今回われわれは喉頭癌放射線治療後5年以上経過したのちに,原発性肺癌に対してベバシズマブを含めた化学療法を施行し,重篤な輪状軟骨壊死をきたした症例を経験した.放射線治療後の頭頸部癌患者に対してベバシズマブ等の血管新生阻害薬を含めた化学療法を施行する際には,慎重な経過観察が必要であると考える.