耳鼻咽喉科展望
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小児滲出性中耳炎の臨床統計と予防医学的考察
福永 一郎大崎 勝一郎波多野 篤深澤 元晴渡部 和世中村 和己木下 心鄭 鴻祥
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1990 年 33 巻 5 号 p. 419-426

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抄録
滲出性中耳炎と診断された小児260例について臨床統計を行った。発症は幼児期早期と考えられた。患児は十分に愁訴を訴えることができず, おおむね家族が難聴に気付くか, スクリーニングをうけることによって病気が発見されることになる。しかし発症早期の耳痛や, 鼻漏や鼻閉といった鼻症状は, 重要な症状であり, しばしば訴えがみられる。
純音聴力検査上滲出性中耳炎は満足には発見できない。ティンパノメトリーは滲出性中耳炎の診断に, より有用であると考えられた。加えて, 本論文中に, 予防医学上の問題点についても考察と提言を行った。
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