耳鼻咽喉科展望
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通年性鼻アレルギーに対するOxatomideの臨床的検討
年齢別効果の検討
鍋島 みどり石井 純子森田 恵窪田 市世石井 哲夫宮野 良隆駒崎 陽子横内 載子荒牧 元金子 寿子河合 和美松川 江一子岡 良己大蔵 真一釣巻 周子伊藤 光子岩嶋 恵美子熊谷 昌悌相澤 晴子石塚 洋一藤多 恒子
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1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 81-93

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抄録

小児を含む通年性鼻アレルギー患者141例に対し, Oxatomide (セルテクト ®) を4週以上経口投与し, その有効性と安全性を検討した。解析対象となった141例を16歳以上の成人群 (n=80) と15歳以下の小児群とに分け, さらに小児群を自覚症状が自己判断可能な小児年長群 (10-15歳, n=24) と, 保護者による観察が主となる小児年少群 (3-9歳, n=37) に分けて解析した。
その結果, 全症例では全般改善度で, 中等度改善以上64.5%, 軽度改善以上87.9%であった。年齢別では, 軽度改善以上で成人群90.0%, 小児年長群87.5%, 小児年少群83.8%であった。副作用は6例 (4.3%) 発現し, 主な症状は眠気であり, 重篤な症例はなかった。今回の結果より, オキサトミドは, 小児から成人まで幅広い年齢層の通年性鼻アレルギーに対して有用な薬剤であると考えられた。

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