耳鼻咽喉科展望
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35 巻 , Supplement2 号
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  • 抗原の点鼻投与によるIgA抗体の誘導
    若盛 和雄
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 49-59
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    呼吸器のI型アレルギー疾患は, 極少量の抗原が粘膜を介し極少量の肥満細胞上のIgE抗体と架橋することで, その反応が開始する。一方, 呼吸器粘膜上には多量のIgA抗体が感染防御のため存在する。そこで, I型アレルギーの新しい治療法として, 抗原とIgE抗体との反応以前に, 人為的に誘導した抗原特異的IgA抗体で抗原を捕捉処理し, 反応を抑制しうる可能性がある。本研究では, 局所における抗原特異的IgA抗体の誘導をマウスにおいて試みた。
    IgAのアジュバントとして知られるコレラトキシン (CT) を抗原と同時に反復点鼻し, その血漿と肺胞洗浄液からenzyme-linked immunosorbent assays法を用いて抗原特異的IgA抗体量, 総IgA抗体量を測定した。また, 抗原特異的IgE抗体はPCA (passive cutaneous anaphylaxis) 反応を用い, 抗体価を測定した。
    今回, 抗原は卵白アルブミン, キーホール・リンペット・ヘモシアニンとNippostrongylusbrasiliensisの虫体抽出蛋白の3種類を用いた。抗原特異的IgA抗体の産生は, マウス1匹当り10μg以上の抗原量と0.1μg以上のCTの存在下で有意に増加したが, 特に肺胞洗浄液中の抗原特異的IgA抗体の増加を著明に認めた。アジュバントとして用いたCTには, その構造上AサブユニットとBサブユニットに分けられるが, いずれのサブユニットにもアジュバント効果が認められた。また, 肺胞洗浄液中の抗原特異的IgA抗体は最終免疫時点より9週後にも高濃度の存在が確認できた。
    なお, 抗原特異的IgA抗体の誘導後にネブライザーによる抗原の再暴露を施行したところ, 抗原特異的IgE抗体産生の充亢進は抑制された。
  • 奥田 稔, 齋藤 等, 古内 一郎, 茂木 五郎, 石川 障, 形浦 昭克, 朝倉 光司, 朴沢 二郎, 永井 政男, 池野 敬一, 高坂 ...
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 61-79
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    通年性鼻アレルギーに対するWAL801CL (epinastine) 錠の有効性, 安全性および有用性の用量関係をWAL801CL5mg, 10mg, 20mgを1日1回, 2週間投与することにより検討した。全般改善度において「中等度改善」以上は5mg群27.1%, 10mg群42.0%および20mg群42.9%で10mg群, 20mg群が5mg群より高率であったが, 3群間に有意差はなかった。安全度において「問題なし」は5mg群98.3%, 10mg群96.6%および20mg群100.0%で3群問に有意差はなかった。有用度において「有用」以上は5mg群27.1%, 10mg群44.0%, 20mg群44.9%で10mg群, 20mg群が高率で3群問に傾向差があった。層別有用度の「くしゃみ発作・鼻汁型」等で3群間に有意差がH検定でみられ, 有用度と用量間に相関関係がみられた。以上のことから, WAL801CLは, 通年性鼻アレルギーに対して有用性の高い薬剤であり, その用法用量としては, 10mgもしくは20mgを1日1回投与するのが適当であると推察された。
  • 年齢別効果の検討
    鍋島 みどり, 石井 純子, 森田 恵, 窪田 市世, 石井 哲夫, 宮野 良隆, 駒崎 陽子, 横内 載子, 荒牧 元, 金子 寿子, 河 ...
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 81-93
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児を含む通年性鼻アレルギー患者141例に対し, Oxatomide (セルテクト ®) を4週以上経口投与し, その有効性と安全性を検討した。解析対象となった141例を16歳以上の成人群 (n=80) と15歳以下の小児群とに分け, さらに小児群を自覚症状が自己判断可能な小児年長群 (10-15歳, n=24) と, 保護者による観察が主となる小児年少群 (3-9歳, n=37) に分けて解析した。
    その結果, 全症例では全般改善度で, 中等度改善以上64.5%, 軽度改善以上87.9%であった。年齢別では, 軽度改善以上で成人群90.0%, 小児年長群87.5%, 小児年少群83.8%であった。副作用は6例 (4.3%) 発現し, 主な症状は眠気であり, 重篤な症例はなかった。今回の結果より, オキサトミドは, 小児から成人まで幅広い年齢層の通年性鼻アレルギーに対して有用な薬剤であると考えられた。
  • 増山 敬祐, 石川 障, 大山 勝, 茂木 五郎, 上村 卓也, 進 武幹, 森満 保, 曽田 豊二, 岡本 鯉, 平野 実, 隈上 秀伯, ...
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 95-106
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    アゼプチンは, 1) 肥満細胞や好中球からのロイコトリエン, PAFの遊離抑制ならびに拮抗作用, 2) 好中球や好酸球からのLTB4遊離抑制作用, 3) 肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制作用や拮抗作用など幅広い薬理作用を有しており, アレルギー性鼻炎の薬物療法のひとつとして期待が持てる薬剤である。
    今回, 379例のアレルギー性鼻炎患者を対象にアゼプチン長期投与 (8週) の有用性を検討し, 以下の結果を得た。1) 自覚症状および他覚所見は投与2週後より改善がみられ, 投与8週まで持続した。2) 自覚症状および他覚所見の改善度は, 投与4週後より投与8週後の方が有意に優れていた。3) アゼプチン投与により血中および鼻汁中好酸球が有意に減少した。4) 副作用は33例 (8.7%) に認められたがいずれも重篤なものはなかった。以上よりアゼプチンはアレルギー性鼻炎に対し有用かつ安全な薬剤であることが確認された。
  • 山口 秀樹, 木村 仁, 伊藤 真郎, 寺田 俊昌, 河野 淳, 新井 雅之, 奥平 唯雄, 舩坂 宗太郎, 鄭 正舟, 永瀬 茂代, 由井 ...
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 107-116
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    末梢性および中枢性めまいなど57例に対する塩酸ジラゼプ (コメリアンコーワ錠) とATP錠剤 (アデポスコーワ穎粒) の併用投与による臨床効果を検討した。
    総合判定では,「やや改善」以上で自覚症状87.0%, 他覚所見89.4%, 全般改善度86.0%と高い改善率を示し, 診断名別にみても, 末梢性めまい, 中枢性めまいのいずれにおいても高い改善率を示した。これまでに行われた塩酸ジラゼプ, ATP製剤のめまいに対する臨床試験の成績と比較すると「やや改善」以上では, 塩酸ジラゼプ単独の場合とほぼ同様の改善率を示したが, 改善以上および著明改善では, 各々の薬剤の単独の改善率と比較するとかなり高い値となった。副作用は3例出現したが, 特に重篤なものはなかった。
  • 河野 淳, 伊藤 真郎, 吉田 知之, 平出 文久, 舩坂 宗太郎, 寺田 俊昌, 川久保 淳, 西山 哲, 佐藤 恒正, 今野 董夫, 河 ...
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 117-128
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    めまい患者77例にサブロミン (brovincamine fumarate) 60mgを投与して, その効果について検討した.症例の内訳は, 性別が男性30例, 女性47例, 末梢性めまいが50例, 中枢性めまいが27例であった.投与期間は末槍性めまいが4週, 中枢性めまいが8週を原則とした.
    全般的改善度では, 末梢性めまいが95.9%, 中枢性めまいが70.4%とともに高い改善率であった.これはめまい改善にサブロミン錠の主として末梢循環改善効果によるものと考えられる.投与期間は末梢性めまいが4週, 中枢性めまいが8週をめやすにするとよいと思われた.サブロミン錠の副作用は, 3例みられたが継続可能であり低率であった.以上, サブロミン錠は末梢性めまい, 中枢性めまいにかかわらず有効であった.
  • 小林 俊光, 佐々木 豊, 高坂 知節
    1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 129-138
    発行日: 1992/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    急性化膿性中耳炎または慢性の急性増悪に対する経口用セフェム系抗生物質Cefuroximeaxeti1 (CXM-AX) の有用性を基礎的・臨床的に検討し, 以下の成績を得た。
    1.臨床効果を検討した47例において, 有効率 (有効以上) は76.6%(36/47) であった。このうち急性例に対する有効率は93.3%(14/15), 慢性の急性増悪例では68.8%(22/32) であった。
    2.細菌学的検査において, S.aureusに対する菌消失率は90.9%(10/11) であり, CXMのMIC80は1μg/mlで, CTMと同一, CCL, 及びCEXに3管優れていた。
    3.副作用・臨床検査値異常は1例も見られなかった。
    4.中耳分泌物中への移行性の検討において, CXM-AXは250mg単回投与2時間後に1.25±0.69μg/ml (n=5) の移行濃度を示し, ピーク値は500mg単回投与2時間後に3.02μg/ml (n=1) であった。
    以上より, 化膿性中耳炎の急性期症状に対する本剤の高い有用性が確認された。
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