耳鼻咽喉科展望
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小児滲出性中耳炎に対するS-CMCシロップの効果
沖中 芳彦関谷 透猪熊 哲彦遠藤 史郎平田 哲康
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1992 年 35 巻 Supplement5 号 p. 395-398

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抄録

小児滲出性中耳炎症例に対し, 鼓膜穿刺・切開を行わずに, S-CMCシロップを30mg/kg/日4週間連続投与し, その臨床的効果を検討した。対象は25名49耳で, 年齢は11ケ月から7歳で, 平均年齢は4.3歳であった。
1) 鼓膜の色調は35%で正常となり, 鼓膜の陥凹は38%で改善を認めた。
2) 標準純音聴力検査で10dB以上の改善を認めたものは43%であった。
3) ティンパノグラムでは58%に所見の改善を認めた。
4) 総合改善度は, 中等度改善以上で40%, 軽度改善以上で64%であった。
5) 副作用は全例に認めなかった。
以上の成績より, S-CMCシロップは小児滲出性中耳炎の保存的治療に有用な薬剤であると考えられた。

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