1995 年 38 巻 6 号 p. 719-723
20例の頭頸部扁平上皮癌症例に対しCDDP, 5-FU, THP-ADM併用療法を施行し, その有効性と副作用につき検討した。CDDPは13mg/m2を5日間, 5-FUは600mg/m2を5日間, THP-ADMは20mg/m2を1日目にそれぞれ投与した。対象症例の内, 新鮮症例が12例, 再発症例が8例であった。その結果, 全体の奏功率は65%(CR: 2, PR: 11) であった。なかでは, 放射線治療前にneoadjuvant chemotherapyとして施行した, 上咽頭癌, 中咽頭癌症例でとくに有効であった。
副作用としては骨髄障害が約半数の症例で認められたが, 重篤な合併症は生じなかった。嘔気・嘔吐は12例に認めたが多くは軽度であった。grade2の脱毛を2例で認めた。
頭頸部扁平上皮癌に対するCDDP, 5-FU, THP-ADM併用療法は有用であると思われた。