耳鼻咽喉科展望
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慢性中耳炎における検出菌の検討
藤田 博之平出 文久博久 詠司吉浦 宏治萩原 晃舩坂 宗太郎
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1996 年 39 巻 3 号 p. 256-261

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抄録

慢性中耳炎の検出菌は従来よりS. aureus, P. aeruginosaが多いと報告されいる。今回, 東京医科大学病院と板橋中央総合病院耳鼻咽喉科外来における, 2年間の慢性中耳炎の検出菌やその薬剤感受性を分析し検討した。その結果, 検出菌の頻度はS. aureus, P. aeruginosaが多かったが, 筆者らの5年前の報告より真菌類の増加が著明で, 特に大学病院ではS. aureusに次いで高頻度であった。またProteus属は両施設で減少がみられた。また単独感染が半数以上であったが, 大学病院に比べ民間病院では混合感染の割合が高かった。またCorynebacterium, S. epidermidisに混合感染が多いという結果は過去の報告と変らなかった。薬剤感受性では全体としてSBPC, CPZ, OFLXに高い感受性を示した。

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