耳鼻咽喉科展望
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フマル酸エメダスチン (レミカット®カプセル, ダレン®カプセル) のアレルギー性鼻炎に対する長期投与の臨床的調査
多施設参加によるオープン・スタディ
遠藤 朝彦
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1997 年 40 巻 2 号 p. 231-245

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抄録
フマル酸エメダスチン (レミカット®カプセル, ダレン®カプセル) のアレルギー性鼻炎に対する長期投与による臨床的調査を全国の大学病院, 一般病院, 診療所を含む111施設で実施した。その結果, アレルギー性鼻炎患者の15.4%には, 抗アレルギー剤単剤での治療では最初から改善が困難な難治性の患者が含まれている可能性があること, 臨床現場においては, 患者の性格の把握を考慮し, 十分な薬剤の説明がなされた服薬指導が重要であることが示唆された。臨床成績は以下の結果が得られた。調査登録症例425例のうち, 安全性の解析対象は338例, 有効性の解析対象は169例であった。全般改善度は4週後66.7%, 最終全般改善度76.1%と高い有効性が認められた。アレルギー性の診断を実施しないA調査とアレルギー性の診断をしたB調査では, B調査の方が10%程有効率が高率であった。主たる副作用は「眠気」で, 10.1%に認められたが, 重篤な副作用は全くみられなかった。以上の結果から, 本剤は的確な診断のもとに用いるならば, 高い有効性が期待でき, 副作用発現に対しても対応が可能であり, アレルギー性鼻炎患者に対する一次選択剤として実用的と考えられた。
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