耳鼻咽喉科展望
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蝶形骨洞炎に続発して生じた鼻中隔膿瘍の1症例
黒石川 泰宮下 久夫真栄田 宗慶谷川 譲原口 秀俊小松崎 篤
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1997 年 40 巻 4 号 p. 434-437

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抄録

糖尿病, 両側Caldwell-Lucの手術の既往のある53歳の女性の慢性蝶形骨洞炎の急性増悪に伴い視力障害が出現し, 次いで鼻中隔膿瘍が生じた。経過と画像上の炎症所見の連続性から, この症例の鼻中隔膿瘍の発症機序は蝶形骨洞の炎症が鼻中隔に波及したことによると結論した。治療は当初, 鼻中隔粘膜の穿刺排膿とセファレキシン内服としたが軽快せず, 入院させ, 鼻中隔粘膜の切開とピペラシリンの多量点滴投与によりすみやかに治癒した。治療の遷延のため鞍鼻を残した。

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