1998 年 41 巻 3 号 p. 265-270
内視鏡下鼻内副鼻腔手術用の新しいマイクロデブリッダーシステムの登場が相次いでいる。われわれは1997年11月よりハマー2を, また1997年12月よりXPSを慢性副鼻腔炎患者15例26側に使用して前機種 (ハマー) との比較をし, その有用性の検討を行った。その結果, 新しいマイクロデブリッダーシステムは, ハンドピースやカッターの改良, イリゲーション機能の追加などによって, 最大の欠点であった吸引の詰まりが大幅に改善され, 手術時間が短縮された。また節骨蜂巣の骨性の隔壁も薄ければある程度削除できるようになった。さらに今後は, 欧米ではすでに使用されている弩曲カッターの登場により, 直カッターだけでは難しかった上顎洞やfrontal recessなどの処理もかなり可能になると思われ, ESSにおけるマイクロデブリッダーの適用範囲が拡がって, その有用性がさらに向上するものと思われる。