抄録
鼻閉を主訴とする患者に外来にてCO2レーザーによる下鼻甲介粘膜焼灼術を施行し, 自覚症状の改善度の点から, その有効性を評価した。対象症例は年齢9歳から58歳, 男性17人, 女性11人の28例, 観察期間は術後4~10週であった。自覚症状は鼻閉, 鼻漏, 嗅覚障害, 後鼻漏, 頭痛, 全体改善度の6項目で各項目を無症状, 軽症, 中等症, 重症の4段階にわけ, 2段階以上の改善を著明改善, 1段階の改善を改善, 不変, 悪化と評価した。すべての項目で改善傾向を認め, 特に鼻閉および全体改善度の項目では著明改善と改善をあわせて90%以上を示した。従って, 外来でのCO2レーザーによる下鼻甲介手術は鼻閉を訴える小児から成人例まで簡便に施行でき, かつ対象症例中には出血, 感染などの術後合併症などはなく自覚症状を改善させることを確認できた。