耳鼻咽喉科展望
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当科における聴神経腫瘍統計
原 晃高橋 和彦大久保 英樹瀬成田 雅光和田 哲郎伊東 善哉草刈 潤伴野 悠士能勢 忠男
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1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 22-26

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抄録

過去10年間に筑波大学耳鼻咽喉科において聴神経腫瘍と診断された症例についてまとめ報告した。症例数は75症例でありneurofibromatosis IIを5症例含んでいた。難聴・耳鳴を主訴としたものが多く, 耳症状のなかったのは5症例のみであった。聴神経腫瘍を疑い, 診断した診療科は耳鼻咽喉科が多く, 他科で診断されたのは19例 (25.6%) のみであった。診断にはABR, MRIが有用であった。腫瘍径は大腫瘍が30例, 中腫瘍が13例, 小腫瘍が25例, 内耳道内腫瘍が11例であった。治療は53例が当院で手術を行い, 11例が経過観察, 2例で放射線療法が行われた。術後合併症は顔面神経麻痺が16例 (30.2%), 髄液痩が1例, 対側感音難聴が1例認められた。

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