耳鼻咽喉科展望
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42 巻 , Supplement1 号
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  • 立原 成久, 大久保 英樹, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 6-10
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当科において1988年3月から1998年3月の10年間に入院患者1,355人について統計的検討を加えた。男性は861人, 女性は494人で, 男女比は1.7 : 1であった。悪性腫瘍の割合は538人 (40%) であった。部位別には, 耳疾患が355人 (26%), 鼻・副鼻腔疾患が265人 (20%), 咽頭疾患が236人 (17%), 喉頭疾患184人 (14%), 唾液腺疾患98人 (7%), 頸部疾患90人 (7%), 舌・口腔疾患83人 (6%), その他の疾患44人 (3%) であった。
  • 高橋 容子, 高橋 和彦, 原 晃, 草刈 潤, 石原 保穂
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 11-16
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1993年4月から1998年3月までの5年間に当科幼児聴力検査外来を受診した聴力障害や言語障害以外の疾患をもつ症例 : 274例について検討した。これらの症例は基礎疾患のあるものと, 基礎疾患のないものがそれぞれ137例ずつであった。幼児聴力検査より得られた聴力は聴性脳幹反応検査 (ABR) の出現や, ABRの閾値とは相関を認めたが, ABRI波, V波潜時とは相関を認めなかった。
  • 原 晃, 遠藤 慶子, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 17-21
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月までの10年間に筑波大学附属病院耳鼻咽喉科において施行した, 悪性腫瘍を除く中耳手術症例は223症例245耳であり, 手術件数は276件であった。対象疾患は真珠腫性中耳炎が最も多く132耳であった。術式では鼓室形成術III型変法が最も多く104耳であった。術後聴力評価では対象とした220耳の成功率は81.8%と良好な結果であり, 真珠腫性中耳炎と慢性中耳炎さらにopen法とclosed法との間には有意な差異は認められなかった。
  • 原 晃, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 草刈 潤, 伴野 悠士, 能勢 忠男
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 22-26
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に筑波大学耳鼻咽喉科において聴神経腫瘍と診断された症例についてまとめ報告した。症例数は75症例でありneurofibromatosis IIを5症例含んでいた。難聴・耳鳴を主訴としたものが多く, 耳症状のなかったのは5症例のみであった。聴神経腫瘍を疑い, 診断した診療科は耳鼻咽喉科が多く, 他科で診断されたのは19例 (25.6%) のみであった。診断にはABR, MRIが有用であった。腫瘍径は大腫瘍が30例, 中腫瘍が13例, 小腫瘍が25例, 内耳道内腫瘍が11例であった。治療は53例が当院で手術を行い, 11例が経過観察, 2例で放射線療法が行われた。術後合併症は顔面神経麻痺が16例 (30.2%), 髄液痩が1例, 対側感音難聴が1例認められた。
  • 田渕 経司, 原 晃, 伊東 善哉, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 27-31
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    当科において1988年から1998年の10年間に入院加療を行った聴器悪性腫瘍20例について臨床的検討を加えた。男女比は1 : 1であり, 年齢は17歳から79歳 (平均55.4歳) であった。病理組織学的には扁平上皮癌が11例, 腺様嚢胞癌および腺癌がそれぞれ4例, 基底細胞癌が1例であり, 外耳道発生例が15例, 中耳発生例は5例であった。主訴としては耳痛, 耳漏がそれぞれ7例 (35%) と最も多く, これら2症状に比べ他症状を主訴とする症例は少なかった。20症例全体のKaplan-Meier法による累積5年生存率は72.6%であった。Stellの分類におけるT1, T2症例での観察期間中の腫瘍死は1例のみであり, 5年生存率も90.9%と予後が良好であったのに対し, T3症例での5年生存率は20.0%と予後不良であった。これらの結果からは中耳および外耳限局例では中耳根本手術により, 十分に良好な予後が期待されることが示唆されるとともに, 難治性の耳痛, 耳漏においては十分に本疾患に留意し, 早期発見に努めるべきと考えられた。
  • 瀬成田 雅光, 安積 靖敏, 藤平 一也, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 32-36
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科で治療を行った上顎癌患者40例につき検討した。組織型では扁平上皮癌が最も多く35例で, 腺様嚢胞癌4例, 未分化癌1例であった。病期分類ではStageIが2.5%, IIが5.0%, IIIが17.5%, IVが7.5%でStageIVが圧倒的に多く全体の約4分の3を占めた。治療は原則的に術前放射線照射と化学療法を併用し, 手術可能例27例に対し手術を施行した。観察期間中の死亡例は17例で初回治療で制御不能例が10例と最も多く, 次いで局所再発の5例であった。扁平上皮癌の5年生存率は全体で53.4%であった。
  • 瀬成田 雅光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 37-41
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科で経験した頭頸部粘膜原発の悪性黒色腫8症例につき臨床的検討を行った。全例が鼻副鼻腔からの発生で, 年齢は46歳から79歳までの平均65.8歳で性別は男性6例, 女性2例であった。5例に対し手術による摘出を行い, 4例で摘出標本の切除断端 (-) であったが一塊切除が可能であった1例を除く4例で局所再発を来し, 3例は腫瘍死, 1例は他因死した。術前の2例, 術後の4例に対しDTICを中心とした化学療法を施行したが, その有効性はほとんどないものと考えられた。また放射線治療を行った2例中プロトン照射を行った1例で腫瘍の縮小を認めたが, 他の1例は効果がなかった。非担癌長期生存の1例が腫瘍の一塊切除後に化学療法を施行した1例であり, 広範囲切除を第一選択にすべきと考えられた。
  • 瀬成田 雅光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤, 坪井 康次, 能勢 忠男, 遠藤 隆志, 中 ...
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 42-46
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科で経験した頭蓋底手術は, 癌腫5例, 嗅神経芽細胞腫2例, 鼻副鼻腔真菌症1例の計8例であった。腫瘍の進展範囲の評価にはCTとMRIが有用であった。真菌症の1例を除いて全例に術前放射線治療を, 4例に化学療法を施行した。手術は全例にTransbasalアプローチを用い, 6例にTransfacialアプローチを, 2例に経上顎洞的アプローチを併用した。全例で頭蓋底骨の切除を行い, 硬膜切除を行ったものが6例で, 1例は前頭葉の合併切除を要した。硬膜欠損部は全例で一期的に縫合し, 頭蓋底骨欠損部は主に前頭部と側頭部の有茎骨膜弁で再建した。遊離骨の移植は6例で行った。術後合併症は髄膜炎1例, 硬膜外膿瘍2例でありいずれも再手術を必要とした。術後の局所再発, リンパ節転移はそれぞれ2例, 3例で認められた。1例は術後1年で多発転移のため死亡, 2例が術後76ヵ月, 28ヵ月経過した現在担癌生存中である。頭蓋底手術は適応を選び, 手術法・再建法を熟慮すれば安全かつ有力な手段であると考えられた。
  • 秋月 浩光, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 47-51
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年から10年間に筑波大学耳鼻咽喉科で入院治療を行ったinverted papillomaの12例について, 臨床統計学的調査を行った。男女比5 : 1, 初診時平均年齢54.4歳, 主訴は一側性鼻閉が75%と最も多かった。腫瘍の多くは鼻腔側壁に主座を置き, 全体の25%で骨破壊像を認めた。Caldwell-Luc手術による再発率は50% (平均観察期間43ケ月) であったが, 和辻-Denker法による再発率は10% (同37ケ月) と良好であり第一選択となりうると思われた。しかし, 中鼻道の限局例に対してはCaldwell-Luc手術による腫瘍基部の注意深い郭清により治癒しうることが期待された。また, 経過中12例中1例 (8.3%) に悪性化を認め, inverted papilloma術後の厳重な経過観察が必要であることを示した。
  • 中川 暁子, 瀬成田 雅光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤, 坪井 康次, 伴野 悠士, 能 ...
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 52-57
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    筑波大学附属病院耳鼻咽喉科で1988年4月より1998年3月までの10年間に経験した嗅神経芽細胞腫2例につき報告した。
    症例1は27歳, 症例2は68歳の男性で主訴は鼻出血および一側性鼻閉であった。確定診断には免疫組織化学的検査が, 頭蓋内への進展の有無の判定にはCT, MRIが有用であった。術前照射50Gy照射ののち, 前頭蓋底手術を施行した。症例1で術後合併症を生じ, 再度再建を要した。また, 42ヵ月後に頸部リンパ節転移が, 76ヵ月後に局所再発が認められた。症例2では39ヵ月を経過した現在, 再発および転移を認めていない。本腫瘍は高い再発率を有するため前頭蓋底手術をはじめとする積極的な集学的治療が行われ, 良好な経過をとる症例も増加しているが, 症例数が少なく治療法が確立されていないのが現状である。また, 術後合併症の発生など問題点もあり, 今後検討を要すると思われる。
  • 佐藤 重規, 伊東 善哉, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 瀬成田 雅光, 原 晃, 草刈 潤, 大原 潔
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 58-64
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月までの10年間に筑波大学附属病院耳鼻咽喉科で初回治療を行った口唇癌・舌癌を含む口腔癌の症例70例について治療法と治療成績について検討した。治療法はTNM分類 (UICC, 1987年) によって決定した。放射線に感受性の低い病理組織型の癌については, 手術を第一選択とした。扁平上皮癌は62例を占め, Stage I, II症例に対しては放射線照射で根治を目指すことを基本とし, Stage III, IV症例については術前照射50Gyの後手術を行うことを基本方針として治療したが, 患者の手術受け入れの問題もあり多様な治療法となった。化学療法はStage IIIないしIVの症例で, 目立った頸部リンパ節転移を認めた症例に術前照射との併用で施行した。放射線根治照射の対象となった症例の中で, 頸部リンパ節転移の認められないStage I, II症例や限局したStage III症例に対しては, 1993年に小線源放射線治療としてRALS; remote after loading systemが導入されてから, それを積極的に使用した。Kaplan-Meier法による5年累積生存率を扁平上皮癌62症例についてみると, Stage Iでは92.9%, Stage IIでは76.2%, Stage IIIでは63.6%, Stage IVでは69.3%であり, 全体では75.2%と良好な成績であった。特に, RALSのみを用いて治療したStage I, II症例では, 5年累積生存率が100%となり, その有用性が確認された。
  • 秋月 浩光, 瀬成田 雅光, 待木 健司, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 65-75
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年から10年間に筑波大学耳鼻咽喉科で入院治療を行った大唾液腺原発腫瘍79例 (耳下腺70例, 顎下腺9例) について, 臨床統計学的調査を行った。組織学的には, 多形腺腫が全体の43.0%と最も多く, 悪性腫瘍は耳下腺腫瘍の24.3%, 顎下腺腫瘍の66.7%に認められた。耳下腺腫瘍における良性・悪性の診断は病歴と理学的所見のみで80%以上が可能であり診断の要になるものと思われた。画像診断では, 超音波検査, MRI (Magnetic Resonance Imaging) ともに正診率86.0%であったが, 特に深葉の病変に対してはMRIが有用であった。しかしワルチン腫瘍では悪性腫瘍と類似したMRI所見を呈するものがあり鑑別に注意を要すると思われた。また, 腫瘍径がT2以下の悪性腫瘍においては画像検査上良性と診断されやすいため, 細胞診や術中迅速病理診断などspecificityの高い検査を加えるべきである。一方, 耳下腺腫瘍の局在診断に関しては, 下顎後静脈の偏位を指標としたMRI診断の正診率が85.1%であり, 簡便で有用と思われた。
  • 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 76-81
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    昭和63年4月から平成10年3月までの10年間に, 当科において手術を施行した頭頸部良性腫瘍 (唾液腺疾患および先天性疾患を除く) 8例を検討した。内訳は脂肪腫2例, 神経鞘腫5例, 傍神経節腫1例であった。
    頭頸部の脂肪腫は無痛性の腫脹で, 一般に臨床経過の長いことが多い。腫瘍自体が深刻な障害を引き起こすことは少なく, 外見上の問題および鑑別診断の問題となることが多い疾患である。今回その1例を症例報告した。
    頭頸部の神経鞘腫は放置しておくと増大し必ず症状が出現するので, 原則的には摘出が望ましい。今回, 耳下腺内の顔面神経鞘腫1例, 舌下神経鞘腫1例, 舌神経鞘腫1例, 小後頭神経鞘腫1例, 迷走神経鞘腫1例の手術症例を経験し, 2例を症例報告した。頭頸部の傍神経節腫は, 約10%に悪性があり増殖は緩慢であるが副咽頭間隙への進展や頸動脈との癒着, 神経障害の可能性の点で早期の手術的治療が必要である。今回, 迷走神経傍神経節腫の1例を報告した。
  • 伊東 善哉, 和田 哲郎, 瀬成田 雅光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 原 晃, 草刈 潤, 武山 実, 高橋 邦明, 待木 健司
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 82-88
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月の10年間に筑波大学病院で治療された上咽頭癌44例について検討した。5例を除く39例が扁平上皮癌で, そのうち25例がいわゆるリンパ上皮腫 (低分化型扁平上皮癌) であった。扁平上皮癌39例中32例が, TNM分類 (UICC, 1987年) 上Stage IVに該当し, 非扁平上皮癌5例については全例Stage IVであった。上咽頭の扁平上皮癌に対する基本方針は, 根治照射と化学療法 (白金製剤とペプロマイシン) であった。この治療法で消失不可能な頸部リンパ節転移例9例については, 治療の最後に頸部郭清を施行した。再発は9例に認められ, 化学療法・手術・追加照射のうち可能なものを選択し再入院の上救済治療を行った。治療成績としては, 扁平上皮癌全体の5年生存率は71.4%で, 非扁平上皮癌症例は現在までのところ5例中1例が原病死したのみであった。
  • 伊東 善哉, 和田 哲郎, 瀬成田 雅光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 原 晃, 草刈 潤, 武山 実, 高橋 邦明, 待木 健司
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 89-95
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月の10年間に筑波大学病院で治療した39症例について, 患者背景, 治療法, 治療成績について検討を行った。患者の背景としては, 高度の喫煙および飲酒歴が認められたほか, 4分の1の症例に重複癌が認められた。疾病の進行度を見ると39例中24例がStage IVであり, そのうち5例には姑息的治療のみが行われた。治療成績に関する検討は残りの34例について行ったが, 治療法はTNM分類 (UICC, 1987年) に従い決定した。放射線照射と手術を中心とした治療を行い, 結果としては全体の5年累積生存率は63.7%であり, 比較的良好と考えられた。治療後に生じた問題で最も大きなものは, 原発巣広範切除手術後の嚥下障害であった。局所切除症例には中咽頭壁の再建手術を行っているが, 咽頭収縮筋機能の喪失や舌の機能障害により明らかな摂食障害が残ったものが16例中8例おり, 今後の課題である。
  • 飛田 忠道, 伊東 善哉, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 和田 哲郎, 瀬成田 雅光, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 96-100
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科で1次治療を行った下咽頭癌患者63例について検討した。亜部位別では梨状陥凹が63.5%, 後壁が25.4%, 輪状後部が11.1%であった。病期分類では, stage Iが3.2%, stage IIが6.3%, stage IIIが11.1%, stage IVが79.4%と圧倒的にstage IVが多かった。治療はstage Iでは根治照射を行い, stage III, IVは術前照射の後手術を行うことを基本方針として治療した。放射線照射に際しては, ほとんどの症例にFAR療法 (UFT, Vitamin A内服を放射線照射に併用) を行った。5年生存率は全体で40.8%であった。
  • 和田 哲郎, 飛田 忠道, 秋月 浩光, 高橋 容子, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 101-107
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科を受診した喉頭癌患者138例について検討した。部位別では声門癌が50%, 声門上癌が44.9%, 声門下癌が5.1%であった。治療は放射線根治照射, あるいは術前照射と喉頭全摘術を中心に, 必要に応じて化学療法を加えるというもので, 病期別の5年生存率はstage Iが100%, stage IIが73.4%, stage IIIが69.3%, stage IVが55.3%であった。部位別の5年生存率は声門癌が91.0%, 声門上癌が51.9%, 声門下癌が100%で, 今回検討した全症例の5年生存率は75.1%であった。症例の背景と転帰を統計的に処理し, 生存率を低下させる因子について詳細に検討した。
  • 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 108-112
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    昭和63年4月から平成10年3月までの10年間に当科において初回手術を施行した甲状腺腫瘍65例につき臨床的検討を施行した。性差は女性に多く年齢は女性では40~50歳代, 男性では30, 40, 60歳代に多かった。組織型は良性が40%, 悪性が60%であった。良性は腺腫様甲状腺腫が多く, 悪性では乳頭癌が多かった。主訴は頸部腫瘤が最も多かった。穿針吸引細胞診はSensitivity : 96.8%, Specificity : 91.3%, Acuracy : 94.4%, と極めて良好な値を示した。TNM分類はT1aとT2aの比較的早期癌が60%以上であった。NOが59%であった。手術は良性では葉切除を, 悪性では総合的な判断により全摘・亜全摘・葉切除を施行した。頸部リンパ節郭清は気管傍リンパ節と気管前リンパ節の郭清は必ず行った。治療成績は未分化癌の1症例の死亡例以外は, 現在まで生存している。再発症例は8例あった。
  • 草刈 潤, 飛田 忠道, 藤平 一也, 遠藤 慶子, 村下 秀和, 中川 暁子, 原 晃, 植野 映
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 113-117
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    甲状腺癌の主症状は前頸部腫瘤, 嗄声, 嚥下障害などであるが, まったく無症状のものも少なくない。本論文では過去10年間において当科外来で診断された無自覚性の甲状腺癌につき検討した。まったく無症状のもの102例 (1群) と咽喉頭異常感のみのもの130例 (II群) に分けて検討したが, 両群ともに高率に超音波検査で何らかの異常所見 (I群 : 68.6%, II群 : 50.0%) を認め, そのうち手術により確認した悪性腫瘍はそれぞれ5例および6例であった。これらの症例を文献的考察と併せて検討し, 無自覚性の甲状腺癌診断における触診所見の重要性について述べた。
  • 大久保 英樹, 高橋 和彦, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 118-120
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月までの10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院治療を行った頸部先天異常11例に関する臨床的検討を行った。男5人, 女6人で平均年齢は16.5歳であった。疾患別ではリンパ管腫3例, 正中頸嚢胞3例, 側頸嚢胞4例, 異所性甲状腺1例であった。異所性甲状腺および入院後縮小したリンパ管腫を除いて9例に手術を施行した。術後再発は正中頸嚢胞の1例を除いて認められていない。
  • 和田 哲郎, 石川 敏夫, 飛田 忠道, 佐藤 重規, 安積 靖敏, 秋月 浩光, 高橋 和彦, 大久保 英樹, 瀬成田 雅光, 伊東 善哉 ...
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 121-126
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当科を受診した重複悪性腫瘍症例39例について検討を行った。これは同期間の頭頸部癌全511症例の7.6%の発生頻度であった。そのうち三重重複が3例あった。重複悪性腫瘍の発生部位別頻度は頭頸部領域では喉頭, 下咽頭に多く, 非頭頸部領域では特に肺, 胃, 食道に多かった。頭頸部癌は重複癌の発生頻度が高く, 多くの場合予後の決定因子にもなっている。頭頸部癌ではその診断。治療および経過観察の際, 常に重複癌の発生を念頭に置き対処することが重要と考えられた。
  • 大久保 英樹, 高橋 和彦, 瀬成田 雅光, 和田 哲郎, 伊東 善哉, 奥村 敏之, 秋根 康之, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 127-130
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    1988年3月から1998年3月までの10年間に, 筑波大学附属病院耳鼻咽喉科に入院し, 陽子線治療を行った頭頸部腫瘍患者16例に関する臨床的検討を行った。対象患者は16人 (男9人, 女7人) で平均年齢は50.8歳であった。疾患別では鼻副鼻腔腫瘍6例, 上咽頭腫瘍5例, 下咽頭腫瘍2例などで, 16例中5例に頭蓋底浸潤が認められた。放射線照射は13例でエックス線を併用した。また同時に化学療法を行った例は7例, 手術を行った例は4例であった。すべての症例で照射後腫瘍の縮小を認め, 5年生存率は23%, 鼻副鼻腔のみで37%, 上咽頭のみで40%であったが, 頭蓋底へ浸潤した5例では75%と高率であった。頭頸部腫瘍に対する陽子線治療は他の療法に比べ有効であると考えられた。
  • 和田 哲郎, 阿瀬 雄治, 原 晃, 吉岡 大, 新津 守, 板井 悠二, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 131-135
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    Magnetic Resonance Imaging (MRI) 検査において発生する騒音を測定した。当施設で採用している機種はフィリップス社製ジャイロスキャン1.5Tである。騒音レベルはスピンエコー (SE) 法T1強調画像撮像でoverallで105dB, T2強調撮像で98dB, ターボスピンエコー (TSE) 法のT2強調撮像法で110dBであった。これらの周波数スペクトルは1,000Hz以下の低周波数領域が中心であった。非磁性体のマイクロホンを用いれば個々のMRI機器の発生する騒音レベルの測定は可能である。その騒音レベルを確認し, 耳栓の遮蔽効果および内耳に対する騒音の影響を把握することは, 強大な騒音負荷に対して被験者が抱く恐怖感や検査拒否に対応するための資料として有益である。
  • 国広 美紀, 和田 哲郎, 高橋 和彦, 原 晃, 草刈 潤
    1999 年 42 巻 Supplement1 号 p. 136-139
    発行日: 1999/04/15
    公開日: 2011/03/18
    ジャーナル フリー
    クリック音刺激による聴性脳幹反応 (ABR) のV波閾値と標準純音聴力検査 (PTA) の各周波数別の聴力閾値を比較した。対象は, PTA施行可能であった5歳から74歳の102症例177耳とし, 内訳は聴力正常50耳, 感音性難聴121耳, 伝音性難聴4耳, 混合性難聴2耳であった。機能性難聴および後迷路性難聴は対象から除外した。ABRのV波閾値は, PTAの125Hzから8,000Hzのうちで4,000Hzの聴力と最も相関が高い結果であった。各周波数の聴力閾値との関連をさらに明らかにするために, この177耳から水平型の難聴を除いた112耳について同様に検討を加えたところ, 500Hz以下の低音領域では相関係数は低下し, 4,000Hzを中心とした高音領域との強い相関がより明瞭に認められた。クリック音刺激によるABRのV波閾値はPTAの4,000Hz次いで2,000Hzの主として高音領域聴力を反映していることが確認された。
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