2000 年 43 巻 6 号 p. 512-516
睡眠時無呼吸の多くは, 上気道狭窄が主因で, 中でも鼻疾患や咽頭疾患が原因であることが多い。当教室では, 閉塞性睡眠時無呼吸症候群, 中でも重症例に対して積極的に手術的治療を行い良好な成績をあげている。
症例は46歳, 男性。主訴はいびき, 日中傾眠。body mass index (BMI) は28.4。閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断し手術療法として鼻中隔矯正術, 下鼻甲介切除術, UPPPを施行した。最低SaO2は術前72%から術後88%と著明に改善し, apnea index (A.I) も66.5から15.0と改善した。
上気道狭窄が原因と考えられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対しては, 鼻や咽頭に対する手術, さらには, 原料を含めた生活指導といった総合的な治療が必要と思われた。