耳鼻咽喉科展望
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咽喉頭症状における胃食道逆流症の関与と治療効果
嶽 良博硲田 猛真斎藤 優子池田 浩己瀬野 悟史十河 英世藤木 嘉明加藤 寛榎本 雅夫
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2002 年 45 巻 4 号 p. 276-281

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抄録

胃食道逆流症は様々な咽喉頭症状を起こし, プロトンポンプ阻害薬が有効とされる。今回, 咽喉頭症状を訴える症例に胃食道逆流症の補助診断に用いられる問診表QUESTを行った。胃食道逆流症疑い例に対してプロトンポンプ阻害薬を投薬し治療効果を検討した。
1. 咽喉頭症状を訴える153例にQUESTを施行し, 47例にランソプラゾール30mgを1-2週間投薬した。
2. 47例のランソプラゾールの有効率は, 61.0%であった。
3. 臨床症状別有効率は咽喉頭異常感63.6%, 咳嗽66.7%, 舌痛50%, 嗄声50%, 苦味100%, 胸焼け/げっぷ100%であった。
4. ランソプラゾールの有効率と罹病期間との間に統計学的な差はなかった。
以上より, 咽喉頭症状を訴える患者群には胃食道逆流症が関与する症例があることに注意し, プロトンポンプ阻害薬の投薬も試みるべきである。

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