抄録
喉頭アレルギーは臨床的および基礎的研究から確実に存在すると考えられるようになってきた。アレルギー性病変にステロイドが有効であることには異論のないことから, 喉頭の病変がアレルギーであると確定できれば局所のステロイド療法は有用な方法と考えられる。喉頭アレルギーに対するステロイドのエアロゾル療法について検討することはエアロゾル療法の新たな展望が開ける点で我々耳鼻咽喉科医にとっては重要な課題といえる。しかし, 喉頭アレルギー症例へのステロイドのエアロゾル療法のまとまった治療成績の報告はない。
そこで, 本論文では, まず喉頭アレルギーをどのように的確に診断するか, 次いでエアロゾル粒子がどのように喉頭粘膜に効率よく到達するか, 局所に到達したステロイドのエアロゾル粒子が喉頭で本当に臨床的薬効を発揮するのかについて論理的に提示することでエアロゾル療法が喉頭アレルギーに有用であり得ることを示した。