2006 年 49 巻 4 号 p. 172-178
急性低音障害型感音難聴51例に鼓室外誘導法により, 蝸電図検査を施行し, 90dBnHLにおけるAP, SP, CM電位を計測し, AP潜時, -SP/AP比, CM検出閾値について検討した。
その結果, AP潜時の延長, -SP/AP比の増大, CM検出閾値の上昇が認められた。
これらの結果から, 急性低音障害型感音難聴 (ALHL) 例では不可逆的なラセン神経節での器質的変化がおこっている例, 内リンパ水腫の病態を表している例, 基底板上での障害を受けている例が混在している可能性が考えられた。
蝸電図は急性低音障害型感音難聴 (ALHL) の病態を考える上でも有用な検査であるといえる。