耳鼻咽喉科展望
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小児気管支喘息患者の外来吸入療法指導に対する試みと有用性の検討
大川 智子白川 清吾矢崎 知子吉山 友二菅家 甫子
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2007 年 50 巻 Supplement3 号 p. 113-128

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抄録

国内外を間わず喘息は増加の傾向にあり, 発症年齢も低下傾向にある。エアロゾル療法は有用であるものの, 小児が吸入器を使用する場合にアドビアランスの低下が見られる。今回, 薬剤師が小児の外来吸入療法指導に積極的にかかわり, 正確な吸入操作に限らず, 喘息に関する病識や薬識, 日常生活などについて患者本人にも対面指導することで, 適正な薬物療法を継続でき, より良い喘息の治療・管理が営まれるようにしたいと考えた。小児及びその保護者に対する吸入療法指導により, 吸入手技, 喘息治療及び治療薬の理解度, QOL, ピークフロー値, 治療点数などほぼ全ての調査項目で改善が認められた。特に注目されることは, 小児患者自身に繰り返し指導し, 働きかけることで, 医療スタッフに対する親近感・信頼度が増し, 小児においても患者自身が喘息を理解し, 治療を納得できることで, 喘息の治療・管理がより適切にできるようになると確信できたことである。

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