抄録
咽喉頭エアロゾル療法は耳鼻咽喉科の日常診療において, かなりの範囲を占める重要な治療法であるが, 最近, 様々な制限を受けるようになり, 今後もこのまま繁用できるかどうか危惧されるところでもある。そこで今回, 現状の新展開として, 特発性喉頭肉芽腫, 喉頭アレルギーへのステロイド咽喉頭吸入療法の応用, また, 将来展望 (未来の夢) として, 咽喉頭粘膜に効率よく沈着し感染防止機能が備わった携帯用小型吸入機器の開発, 漢方薬の咽喉頭吸入療法, 咽喉頭エアロゾルによる予防接種, 喉頭アレルギーの免疫療法, 早期咽喉頭悪性腫瘍治療, 嚥下障害治療の可能性について紹介した。